わたしのからむし畑の、根っこの持ち主のばあちゃんが、亡くなった。
かすみ草の仕事をはじめたとき、夏のからむし引きは、できないなと思っていた。
仕方ない、と思っていた。
おおまたに通うようになってしばらくして、集落のなかに、数年前からそのままになっている、からむし畑があることを知った。
畑を見にいってみた。
からむしは、まだ、生きていた。
諦めていたはずの気持ちが、動きだした。
セイイチさん・ミヨコさんを通じて、畑の持ち主の家族に了承をいただいて、
その畑で、からむしに関わらせてもらうことになった。
からむし引きをはじめる前の日、ばあちゃんにどうしても会っておかなくてはいけないと思って、お家を訪ねさせてもらった。
一生懸命やってたら、だんだんうまくなるから、と声をかけてもらった。
そして、握手をしてもらった。
ばあちゃんの手。
畑のからむしが、待っている手。
つながって、伝わってほしいと思った。
その後、ばあちゃんの根っこはあたらしい畑に植え替えて、今も引いています。
いま、おおまたでの、わたしとからむし畑との関わりは、いろんな人の助けとゆるしで続いているけれど、
さいしょのはじまりは、ばあちゃんが続けていてくれていた、からむし畑だった。
もしもそれが、なかったら。
これからも、だいじにします。
モトコさん、ありがとうございました。
2011年5月17日。
モトコさんの畑から、からむしの根を掘る。
掘った根。
あたらしい畑に、植え替え。