じゃけん。

仏教は、神さまと自分の関係ではなく、
自然や世界へ向かっている。

だから興味を持ったのだと、ドイツ人の僧侶は言った。
高校生の時、世界の宗教を授業で学んだことがきっかけだった。
日本に来て20年近く。
京都のお寺で住職をしながら、週に3日広島に来ているそう。

ひんやりした空気、しずかな光が差すお堂で、座禅をした。
深い鼻呼吸をすること。
それだけを、意識する。
それだけの、自分でいること。
肯定も否定もなく、
ただ生きることを思い出す時間なのかもしれない、と思った。

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「足にあおじができとるよ」
広島から成田へ向かう飛行機で、となりに座った若い女の子ふたり組。
あおじは、青あざのこと。
すごく久しぶりに聞いた。
そういえば、そう言いよったなぁ。
いつの間にか使わなくなっていた広島弁。

帰省してすぐ、荷物の問い合わせで郵便局に電話をした。
応対してくれたお姉さんが話すのを聞いていると、
独特の抑揚を感じる。
音のゆらぎが親しくて、うれしくなる。
あー広島弁いいなぁ、と思った。
久しぶりに電車に乗って瀬戸内海を見たとき、
あまりの穏やかさにびっくりしたことがある。
瀬戸内海って、こんなんだったんだ。
この穏やかさは宝だなーと。
そういうことに、はたと気づくとき、
ぼんやりしている輪郭が、縁取りされていくように思う。

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そしてまた、雪国へ。
ぼんやーり。


# by morinokasumi | 2019-02-13 23:06 | 暮らし

なるべく長く、終わりまで。

ヒロアキさんが、東京出張のお土産に買ってきてくれたお花。
10日経って、3分の一くらいの量になったけど、まだきれいに飾れる。
終わったお花をはずしたり、花瓶を変えたりして、生け直してきた。
すこしずつ、風景が変わる。

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ラナンキュラスの頭がぐらぐらになったけど、
お花はまだきれいで、どうにかして生けたいなぁ、と考える。
何かいい入れものないかなぁって探して、
これ合いそう!って生けてみる。

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お花の変化を楽しみながら、なるべく長く、終わりまで。
工夫して、ちょっと手をかけて、お花の空間をつくること。
たのしくて、うれしくなる。


# by morinokasumi | 2019-02-01 17:18 | 暮らし

青のとき。

カラムシを績んでいます。

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去年の夏に引いた、あたらしいカラムシ。
まだ若いカラムシは、うっすら青い。

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重しをする。
ぎゅっと抑えて圧縮して、重ねていく。
だいたい本を使うけど、ちょうどいいのが見当たらず、
食器棚からお皿を出した。

なにか乗りそう・・・ということで、


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カバとサイのペーパーウェイトを。

ほのぼの*

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# by morinokasumi | 2019-01-30 21:09 | 暮らし

一期一会のお茶。

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仏さまのお花には、この花瓶がぴったりだった。
横井庄一さん作。

愛知県にある「横井庄一記念館」に伺ったことがある。
自宅の一部を改装した私設の記念館で、
奥さまの美保子さんが、案内をして下さった。
見学を終えて、お茶を勧めていただいた。
だけど、しばらく待っても、美保子さんが現れない。
さすがにちょっと心配になって、そっと台所をのぞかせてもらうと、
美保子さんは、レモンを切っていた。
紅茶に添える、レモン。
うすく切ったレモンを、4分の一にして、
それを、ソーサーの上の金のティースプーンにのせた。

庄一さんが亡くなって、15年。
美保子さんは80歳半ばで、
そのとき手元は少し震えていたと思う。
誠心誠意が、息をのむほどに、澄んでいた。
ほんとうに、うまく言えない。
探しているけど、言葉が見つからない。
出していただいた紅茶は、情景として、今もすぐに思い出せる。


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なんてかわいいんでしょう・・・。
今年のお年玉つき年賀はがきに当たりがあって、
郵便局で引き替えしてきました。
あーこれはかわいい!

と同時に。
昨年末は落ち着いて年賀状の準備が出来ず、
遅ればせながら、今ごろになって寒中見舞いの準備をしています。
いただいた年賀状でこのかわいい切手をもらっておいて、
これからご挨拶する方々には、
そのチャンスを送ることが出来ないなんて。
心苦しい・・・。
こんなかわいい切手・・・。

今年の年末は、ちゃんと準備しよう。

# by morinokasumi | 2019-01-25 19:42 | 暮らし

最後まで、働いて死ぬ。

最後に会ったのは、去年の夏。
かすみ草の作業小屋に、遊びに来てくれた。

だんだんと病気が進んでいて、酸素ボンベと車イスを使っていた。
年金もらわんねぇのがもったいないわなぁ、と、笑っていた。
面白みをきかせて、イヒヒ、といたずらっぽく話す。
いきまのいい、いつも通りのかずひろさんだった。

息子のかすみ草を手伝っている、と言うから、
あんまり体に負担かけないように、無理しないで、と言うと、
最後まで、働いて死ぬわい、と。

涙は見せてはいけないと思った。
作業をしながらで、半分背中を向けていたから、
かすみ草があって、助かったと思った。
だけど、あのとき目の前で、泣いていたらよかったかもしれない。
そんなこと言わないで、まだ生きていてください、さみしいから、って。
わたしももっと、ちゃんと、思ったことを言えたらよかった。

もうひとつ、忘れられない言葉がある。
今からもう10年くらい前のこと。
無人島にひとつだけ持って行けるとしたら、という話になったとき、
かずひろさんは、イヒヒ、と笑って、
「女」と言った。
みんなで、わぁわぁと笑ったけど、そのあとで、ずしりときた。
「守るものがあったら、何でもできる」って。

奥さんと子ども4人に、孫が10人。
最後まで、ゆるがなかった。
それは、守りたいものが、あったから。


# by morinokasumi | 2019-01-22 21:14 | 暮らし